CASIO FX-991CW Advanced Scientific Calculator, Black, S

カシオの関数電卓CLASSWIZの最新機で日本版のfx-JP900CWのグローバル版ということらしい．先代機のfx-991EX（fX-JP900-Nのグローバル版）は愛用しているが，持ち運び用とデスク常備用で使い分けようと思い購入．結論として「関数電卓としては」少し残念な仕様変更になっている．デザインは主に記号入力ボタンの白印字とそれに対応したSIFTと組み合わせる「裏入力」表示のゴールドのツートーンがシンプルで，何を押せばいいのかが直感的によりわかりやすくなっているのがいい．logボタンの表裏は日本版と逆になっているようだ．これは好みや使い方の問題だろうが,個人的には「底を指定のlog」が表で，裏に自然対数や常用対数となっているこの海外版の仕様のほうが好みだ．（なぜって底が揃っていない計算の方が面倒だから電卓の出番が多い．）速度や計算精度は概ね強化されているのも良い点．（シンプルな関数の定積分なら割と早い．カシオやHPの上位機種のグラフ電卓には流石に敵わないが．）残念だと思う先代からの変更点はS⇔Dボタンが無くなったこと．計算結果の表示を分数や小数で切り替えるのがFORMATボタンから上下カーソルで選択式になって手間が増えたのが地味に不便．（10桁までの整数なら素因数分解ができるがそれはちょっと嬉しい．）また定積分がボタンで一発で呼び出せず操作盤のどこにも積分記号がないのが混乱する．（これはCATALOGからFunc Analysisを呼び出してさらにIntegrationを選択しなくてはならなくなった．）性能は確かに強化されているが，おそらく多くのエンジニアにも他の理系の人にもUIは不便になったと思われる．ボタンが見やすくなったのは助かるが，UI周りの仕様で関数電卓を普通の電卓ユーザーのニーズに寄せなくてもいいと感じた．よく使う計算はすぐに操作は覚えられたが，その大半で先代機よりわずかに手間がかかる．普段遣いは結局先代機になりそうだ．